アーチェリーって?
アーチェリーのルールは離れたところにある的に向かって矢を放ち、矢の刺さった位置で得点を競うという、とても単純明快なものです。距離は様々で、大学の競技では主に30,50m先の的を狙います。
また、競技の種類も屋外の平地で行うアウトドアターゲット、屋内で行うインドアターゲット、山や森の中の複雑な地形で行うフィールドなど多様です。
(画像はミズノ発見隊さんより引用。この選手は川中 香緒里選手といい、ロンドンオリンピックの銅メダリストです。)
いわゆる和弓と比べると、矢をつがえる位置、狙う距離など様々な点が違いますが、一番の違いは、アーチェリーでは様々な器具を弓につけることです。
的中精度を上げるためにサイト(照準器)、スタビライザー(安定器)といった弓具を用います。そのため、初心者でも比較的楽に遠くの的に矢を当てることができます。
また、カスタマイズ性が高く、弓具の色や形のセレクト次第で自分好みにすることができます。
また、アーチェリーは生まれつきの身体能力や運動神経を必要としないので、老若男女どなたでも楽しむことができます。他競技と比べると大学から始める人が多く、上達もしやすいので、初心者でも始めやすいスポーツです。
射形解説
アーチェリーの基本的な弓の射ち方を説明します。アーチェリーでは人によって射ち方が多少異なりますが、大まかには以下のような流れで射ちます。
*右利きの人の前提で左右の表記をしています。左利きの方は左右を読み替えてお読みください。

スタンス
肩幅に足を開きまっすぐ立ちます。右射ちの場合、左手に弓を持って的に対して垂直に立ちます。

セット
矢をつがえ、弓を構えます。弦は人差し指、中指、薬指の3本で引きます。この時に顔を的の方に向けます。

セットアップ
弓を目の高さくらいまで持ち上げます。ここから本格的に引き始めます。

ドローイング・アンカリング
弦を引いてきます。引いてきた右手はあごの下につけることで、いつでも一定の位置で止められるように工夫されています。

エイミング
的を狙います。アーチェリーの弓にはサイトと呼ばれる照準器がついているのでこれを的の中心に合わせます。
(*先ほどと図が同じですが、実際外から見ても違いはわかりません)

リリース
指の力を抜き弦を離します。右手をパーにするようなイメージです。この時に矢をまっすぐ飛ばせるように放すのが高得点のコツです。

フォロースルー
リリースの後そのままの姿勢でキープします。一見無意味にも見えますが、実は射形を安定させるために欠かせないステップです。
道具解説
アーチェリーで使う道具をパーツ毎にご紹介します!これを組み立てると、先ほど紹介した写真のようになります。

ハンドル
弓と人とのインターフェイス。アルミ製のものやカーボン製のものがあります。穴が開いているのは風よけと軽量化のためです。
昔はバイクと楽器でおなじみのヤマハも作っていましたが今はアメリカと韓国のものが主流です。

リム
実際にしなり、動力を生む部分です。木、竹、カーボンなどいろいろな素材のものがあり、引きごこちや返りの速さなどが点数に直結します。

弦
弓道では訓読みで「つる」、アーチェリーでは音読みで「ゲン」です。ポリエチレン製です。カラーバリエーションが多く、自分の好きな色にできます。

ロッド
重心調整や衝撃吸収の目的があります。一番格好いいといわれるところです。

サイト
狙いをつけるためのものです。真ん中の赤い点は、狙うときには1mm位ととても小さく見えます。

レスト、プランジャー
レストは矢を乗せる台のようなものです。プランジャーは矢飛びをまっすぐにするための器具です。

矢
初心者はアルミ製のものを使い、上達するとカーボン製のものを使います。極限まで誤差がなく設計されているはずです。

防具
指を守るタブ、(弦が戻るときに)腕を守るアームガード、胸を守るチェストガードが防具の三種の神器です。ほかにも弓を落とさないようにするスリングというものもあります。
履修との兼ね合い
例年の場合
練習は4月から7月までは、駒練(駒場での基礎練習)が週2回あります。夏休み以降は、週1回土曜日の公練(全体練習)以外は、自由に射場で練習できます。目安としては、週3から4回の練習で、1回におおよそ2から3時間行います。使える射場の詳細などは、経験者向けページの射場まとめをご覧ください。
文系
基本的に必要単位数が理系と比べて少ないため、部活動に打ち込みやすい傾向にあります。弊部には文一生など、司法試験などの資格勉強も目指す学生もいますが、そういった学生も練習時間を確保して活動できています。
文3(キャップ制の限界近くの15単位を履修しつつバイトと部活もできました。)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 情報 | 空コマ練 | |||
2 | スポ身 | 適応行動論 | 空コマ練 | ALESA | 中国語初級 |
3 | 心理Ⅰ | 英語中級 | 初ゼミ | フランス語 | |
4 | フランス語 | フランス語 | |||
5 | 美術論 | 駒練 | ジェンダー論 | 駒練 |
理系
基本的に必要単位数が文系と比べて多いですが、フレキシブルな練習が可能なので、練習時間と勉学を両立することができます。
理1TLP(TLPで単位数が多いですが、一限を空けつつ駒練を組み込めました。)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | TLP | ||||
2 | 情報 | TLP | 熱力学 | 英語上級 | |
3 | スポ身 | 初ゼミ | 数理基礎 | フランス語 | |
4 | 数理基礎 | 英語一列 | 力学A | 数理基礎 | |
5 | 駒練 | フランス語 | 物質・生命 | 駒練 | TLP |
バイト
基本的に、授業期間中、土曜日の公練(全体練習)以外は自由に練習を組むことができるため、履修や練習時間を工夫することで、十分バイトをすることもできる。
実際に多くの学生がバイトと掛け持ちしています。長期休みには合宿や遠征試合などもあるので、こちらは早めにシフト調整などできるとよいです。
コロナ禍の場合
昨年は、オンライン授業の導入や部活動禁止期間があり、変則的な活動となりました。2021年も前期については同様となる可能性が高いため、参考にしてください。
部活動禁止期間は、活動は全てオンラインとなります。週3~4回、基本的に1時間強のオンライン上での練習が行われます。矢はつがえないものの実際に家でも弓を引くことができます。さらに移動時間がかからないため、一コマの空きで十分練習できます。通学時間が無くなった分、他の活動と両立しやすいという声も聞かれました。
文系
基本的には例年と同じでした。昨年は対面授業は理系より少なかったため、オンライン授業になったことで移動時間を有効活用して、5限後に部活や資格勉強をすることもできました。(下記の履修例は、前期=Sセメの完全オンライン授業時のものです。)
文1(5限後と午前休をうまく使うことができました。)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 部活 | 部活 | 法Ⅰ | ||
2 | 部活 | 部活 | 英語一列 | 初ゼミ | 国際関係論 |
3 | 政治Ⅰ | 情報 | バイト | フランス語 | スポ身 |
4 | フランス語 | フランス語 | バイト | 学術フロン | 英語中級 |
5 | 日本の政治 | 心理Ⅰ | バイト | 部活 | 情報認知脳 |
5限後 | 資格勉強 | 資格勉強 | 資格勉強 | 部活 | 資格勉強 |
理系
基本的には例年と同じ生活で、昨年は実験などの対面授業が文系より多くありました。一方で、授業が動画のみの場合が文系より多く、履修次第では本来の授業時間に練習して空いた時間に視聴することもできるため、これまでよりも時間的な余裕ができるかもしれません。(下記の履修例は後期=Aセメのものですが、このうちスポ身、実験、二外が対面となりました。)
理2(まとめて履修を組むことで5限の時間から練習などをすることができました。)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 国際関係論 | 線形 | 図形科学 | ||
2 | 微積 | 電磁気 | ドイツ語 | アルゴリズム | |
3 | 線形演習 | 構造化学 | FLOW | 実験 | 生命科学 |
4 | 部活 | スポ身 | 部活 | 実験 | 英語中級 |
5 | 部活 | バイト | 部活 | 部活 | バイト |
5限後 | 部活 | バイト | 部活 | 部活 | バイト |
新入部員の一年
コロナ禍での活動
コロナ禍のなか、我々も活動を大きく制限されました。四月以降は課外活動ができず、射場に行くこともできませんでした。一方、競技や部活の特性上、その影響を最小限に止めることができました。
アーチェリーは家の中で、矢をつがえずに弓を引く「素引き」という練習や何も持たずに弓を射つ動作を真似する「シャドーイング」という練習などがZoomを通じてできるので、コロナ禍の中でも最低限の練習をすることができました!
授業予定に合わせてフレキシブルに練習できる分、普段とは違った効果もありました。
勿論一年生にも、Zoomを介してフォームを教えたり軽い筋トレをしたりと、上級生と一緒に練習に取り組んでもらえました!
個人競技なので「密」を避けることができ、また自分の家に近い射場で、空いている時間に練習できるというのもコロナ禍の中での強みです。
射場での個人練習と併せて、Zoomでみんなで集まってやる練習も行なっていて、部員どうしの交流の場となっています。
前例のない部活動の中、不安はありましたが、一年生も例年と同じように成長してくれていて、嬉しい限りです。
例年の活動
例年は、季節に応じてイベントが様々あり、冬には室内で行う競技などもあります。

また、授業がある平日には毎日5限の時間に体験練習会を行っています!4限終了後に部員が生協食堂前にてお待ちしております。4月中に新歓コンパも開かれるので、こちらにもぜひぜひ来てください!(もちろん新入生は参加費無料です!)

6月の頭には東京大学の保有する千葉県の検見川セミナーハウスにて、一泊二日の新歓合宿があります。内容は概ね普段の駒練と同じなのですが、合宿なので新入生同士や上級生と仲良くなれる絶好の機会です!
また、基礎が身についてくる段階になると、本格的に射場へ行って18Mくらい先の的を射てるようにもなります。
ちなみに駒練や練習のあとの夕食は全部おごりです! 好きな物を好きなだけ食べられますよ。

夏合宿は少し長いですが、そのぶん部に入っていないとなかなか味わえないようなやりがいや達成感はこの上ありません。まとまった練習時間が取れるので、大きく飛躍するチャンスでもあります。特に未経験者はここで大きく点数が上がります。

このころにはもう1年生も一人前のアーチャーで、1人で射場に行って自由に距離を射つことができます。自分の家に近い射場を選ぶこともできますよ。
また夏休みの終わる頃には1・2年生中心の秋合宿が再び検見川にてあります。距離を射つことが中心の合宿で、1・2年生の連携もより強固になります。
秋合宿の間にはOB・OG射会もあり、過去に洋弓部で活躍された先輩方との交流の機会もあります。

東大洋弓部では毎年、新人戦で優勝や上位入賞など輝かしい成績を残す部員もいます。
冬は室内で行われる大会が多く催され、それらにエントリーすることもできます。写真は室内開催のインドア大会の様子です。

リーグ戦は1年で最も重要な試合であり、ここでの勝利のために1年間練習を積み重ねます。